FC2ブログ

天 球 儀

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

蒼天の系譜 【第二幕】 ...05

dq3.gif


【第二幕】 エルフと盗賊


05





 カンダタの根城だというシャンパーニの塔は、カザーブの村から南西の広い草原の中に建っている。
 誰がいつなんの目的で建てたのか、詳しいことは分かっていない。 しかし随分古くから建っていることだけは知られていた。周りに村や町はなく、文字通りぽつんと草原の中に立つ塔。
 一説では、はるか昔の合戦場だったとも言われているが、記録には残っていないので真実かどうかは分からない。ただそれが真実だったとしたら、この一面に広がる大草原の中でどれだけの権力者たちが争い、功名や栄華を夢見たのだろう。今はただ静かに、風に吹かれて優しい葉音を奏でるこの草原。そこにたたずむ朽ちかけた塔。まるで栄華を夢見て儚くも無残に敗れていった者たちの墓標のようにも見える。
 そんな朽ちかけた塔にわざわざ好き好んで近寄る人間もそうは居ない。合戦場であったと言われていることも研究者でもなければまず知る人間もおらず、この場所に塔が立っていることを知らない人間も少なくはない。ましてや魔物の徘徊するこんなご時世だ。なおさら近づこうとは思わないだろう。なるほど隠れ家にするには持ってこいと言った物件ではある。

 ユウたちは塔の前で馬をつなぎ、案内の男の後に続いて塔を最上階まで登っていくと広いフロアの中に、案内してくれた男と同じような出で立ちの男たちが一斉にユウたちに視線を向けた。
 その視線にユウは思わずすくんだが、後ろからレンとセリアにつつかれて慌てて姿勢を伸ばして立ち直る。


「お頭は?」

「奥にいるよ。おーい、おかしらぁ!カンダタのおやぶーん!客人だー」


 注目を浴びて中々に居心地の悪い思いをしている三人をよそに、案内の男が近くにいた仲間と思しき人間に声をかける。
 仲間の男は頷くと、奥の扉に向かって声を張り上げた。と、いくらもしないうちに盛大に奥の扉が開き、金色の髪をなびかせた若い青年が現れた。案内役の男が、お連れしました、と頭を下げたので、どうやら彼が世間を騒がせている義賊、カンダタのようだ。
 想像していたよりも若いな。レンがそう思いながら青年、カンダタを値踏みするように眺める。
 年の頃は二十歳そこそこ、と言った程度だろうか。ユウよりは年上だが、レンやセリアよりは若そうだ。金色の髪に、青い瞳、整った顔立ちで背も高く、奇抜なデザインの服装から覗く腕や腹部はよく鍛えられているように見える。
 盗賊というからにはもっとみすぼらしく横暴なイメージがあったが、この青年がかもし出す雰囲気はそれとはかけ離れていた。 むしろ高い品位がうかがえる。

    どこかで見た気もするが。

 渋い表情でレンが見つめていると、カンダタはその視線に気がついてふっと笑みを浮かべ、ゆっくりとセリアからレンに視線をめぐらせ、最後にユウに視線を定めると、 ツカツカと大またで三人に近付いてきてユウの目の前で止まり、ふむ、と腕を組んで目を細め、目の前のユウをつま先から頭のてっぺんまで一通り、まるで品物でも定めるように眺める。そうして固まったままのユウと視線を合わせると、再び笑みを浮かべて突然ユウに抱きついた。


「やー、久しぶりじゃん! すげーこんなでかくなったの!? あ、そりゃそうかー。最後に会ったのいつだっけ? ネクロゴンド城でティアラと一緒だったよなぁ?」


 抱きつかれて一方的に話しかけられるユウは、何がなんだか分からず思わず後ろにいた二人を首だけで振り返る。 振り返った二人はただただたあっけに取られていた。
 抱きついても話しかけてもなんのリアクションも起こさないユウを不審に思ったのか、青年はパッと身体を離して首をかしげた。


「なんだユウ。俺のこと忘れちゃった?」


 忘れちゃったもの何も、盗賊に知り合いなんていない。そう言おうとして、ふと引っかかる言葉を反芻した。

    "ネクロゴンド城"で"ティアラと一緒"だった?

 拗ねた子供のような表情で自分を見つめるカンダタを、ユウはまじまじと見つめた。後ろではレンとセリアが訝しげな顔をしたまま、ことの成り行きを見守っている。
 ユウの記憶が正しければ、ネクロゴンドへ赴いたのは後にも先にも一度きりだ。父に連れられて登城し、王女であるティアラと出会って約束を交わしたあの時だけで、おぼろげな記憶の糸をどうにか手繰り寄せて見れば、幼いユウやティアラと一緒に遊んでくれた年上の少年が確かにいた。その時、彼は自分の事を何と言っていたか。そう確か。


「ユウ……あんたいつ、盗賊の知り合いが出来たの?」

「盗賊に知り合いなんて居るわけないだろ」


 セリアが恐る恐ると言った体で後ろから声をかけると、ユウは渋い顔をして振り返り、目の前で不満げに顔をゆがめているカンダタに向き直り改めて目の前の男を眺めた。


「もしかして、サイラス兄ちゃん?」


 怪訝な顔のまま呟くように問いかけたユウの言葉に、カンダタはパッと表情を輝かせ、再びユウに抱きついてその背中をたたきながら嬉しそうに声を上げた。


「おー! 覚えててくれたかー!!」

「やっぱり盗賊と知り合いなんじゃない」

「セリア違うってば」


 妙なテンションでユウに抱きついて背中をバンバン叩きまくるカンダタを適当に宥めながら、ユウはほら見ろというような表情で自分を見ているセリアを首だけで振り返り、 呆れたようにため息をついた。セリアの隣ではレンが目を見開いて愕然とした顔をしている。


「この人、これでも王子なんだよ」

「いや、意味わかんない」

「まぁ、詳しい話は奥でしようや。困ってんだろ?」


 カンダタは気が済んだのかようやくユウを抱擁から開放すると、納得いかないような顔をしているセリアと目を見開いたまま固まっているレンを手招きし、さっきまで自分がいた部屋に案内した。
 どうやらそこはカンダタ個人の部屋らしく、古い遺跡の一室であることには間違いないのだが、何処から持ち込まれたのかベッドや応接セット、それに盗んできたのであろう調度品が並べられている。
 ユウたちが物珍しげに部屋を見回していると、カンダタが応接セットのソファにどっかりと腰を下ろし、呆けた顔をして部屋を見回している三人に座るように促した。
 何を考えているのか分からない、そんな笑みを浮かべているカンダタを、セリアとレンは警戒したように眺めていたが、ユウが苦い笑みを浮かべて二人の肩を叩き、 率先してカンダタが座っているソファの向かい側に腰をすえた。
 全くといっていいほど警戒心のないユウに二人は顔をしかめたが、突っ立っていても仕方がないと判断したのか二人で同時にため息をつき、それぞれ空いている席へ腰を下ろす。そうして全員が腰を据えたところでカンダタはぐるりと三人を見回し、ようこそ俺のアジトへ、とにっこり笑った。


「まずは自己紹介……といいたいところだが、しなくても有名だな。でもそれは正しい認識じゃあない」


 カンダタは腕組みをしてソファに踏ん反り返り、全く警戒心のないユウと、警戒心むき出しのセリア、何か考え込む様な表情をしているレンを見回し、ユウ以外の二人に視線を向けて胡散臭そうな笑みを引っ込め、表情を引き締めて口を開いた。


「俺の本当の名はサイラス。サイラス=エオス=サマンオサだ」

「そうか、どこかで見たことがあると思ったら……サマンオサの第一王子か」


 突然真剣な眼差しになったカンダタの言葉に、レンが呆れたようなため息をついた。ユウが何で知ってるのかというように驚いてレンを見ると、傍に座っていたセリアも驚いたように目を見開いてレンを見ていた。


「サマンオサは今、完全に鎖国状態じゃなかったのか? 国王の乱心だと聞いたが……そんな状況下の国の王族が、しかも王位の第一継承権のある王子が義賊だと?」

「さすがアリアハン国王直属の間諜。他人んちの状況をよくご存知だ」


 険しい表情のレンに、カンダタが苦い笑みを浮かべて肩をすくめる。ユウはユウでぎょっとしたように目を見張りレンを見る。ユウの視線に気が付いたレンは、ちょっと困ったように笑って肩をすくめた。
 間諜ということは、つまりスパイということだ。レンが世界中を飛びまわっている仕事をしているということは知っていたが、まさかスパイをやっていたとは知らなかった。いや、知られてはいけない存在なのだろうから、当然と言えば当然なのだが。
 ぽかんとしたままのユウをよそに、レンが再びカンダタに鋭い視線を向けると、そんな怖い顔するなよと彼が笑った。


「まぁとにかく、俺はそんな親父に嫌気がさして国を飛び出してきたって訳だ。よくある話だろ? 親とそりが合わなくて家出してくるなんてのは」


 な? と面白がるように笑いながら首を傾げるカンダタに、セリアもレンも思わずと言ったように苦い笑みを浮かべて肩をすくめることしか出来なかった。
 ユウはセリアやレンが元々アリアハンの出ではないことは知っていたが、どういう経緯で国を出てきたかまでは詳しく聞いたことがない。
 ただでも、今のカンダタの言葉に示した反応から分かったことは、彼の話に二人がどこか共感する部分が少なからずあったのだということだ。


「さて、俺の身の上話はまた後ほどってことで、急いでるんだろ?」


 言うが早いがカンダタはソファから立ち上がると、部屋の隅においてある棚をあさって戻ってくると、手にしていたそれをおもむろにユウに投げてよこした。
 慌てて手を伸ばしそれを両手で受け取ってみれば、円柱状の小さなルビーだった。よく見ると中になにか入り込んでいるように見える。何が入っているのか確かめようと覗き見ようとして、横からカンダタがやめたほうがいいぞ、と口を挟んだ。止められて不満げにハスを尖らせるユウに、カンダタがニヤリと笑った。


「なんでさ」

「それが、エルフの里に伝わる秘宝。夢見るルビーだ。人間が覗き込むと、害があるらしいぞ」


 ふぅん、と分かっているのかいないのかよく分からない態度で、ユウが鼻を鳴らして受け取ったルビーを皮袋にしまい、でも、と不思議そうに首をかしげてカンダタを見た。


「なんで俺たちがカンダタを探してるって……ていうかこれが必要だって知ってたんだ?」

「うちの部下の情報係。それ以上は機密って事で」


 あくどい笑みを浮かべたカンダタは、そんなことより、とばっさり話を切り捨てて彼はユウを一瞥した。


「バラモス倒しに行くんだろう?」


 その問いに、ユウが困惑気味にそうだけど、と答えると、カンダタはまるで悪戯でも思いついたような笑みを浮かべ頷き、なら話は早いとユウの肩を叩いた。


「俺も行く」

「えぇ?」

「詳しいことはロマリアのおっさんが知ってるはずだが、おそらくお前たちはサマンオサにも行く羽目になるだろう。俺も国に用事があるんだが、一人じゃどうにもできなくてな。ついでだ、ついで」


 何がどうついでなのかさっぱり分からない。視線で助けを求めてみたが、レンもセリアも困ったような顔で肩をすくめているだけだ。
 再び視線をカンダタへ戻すと、カンダタ、いやサマンオサ第一王子サイラスはにっこり笑ってよろしくな、とユウの肩にもたれかかってきた。ユウはなんだか軽いめまいがした気がした。

 結局、なし崩し的な感じは否めなかったが、ともあれ義賊カンダタ、もといサマンオサの王子であるサイラスはユウたちに同行することとなった。
 本来彼はそれなりに身分のある人間なので、本来の名で呼ぼうとしたが、本人がそれを否定したのでそのままあえてカンダタと呼ぶことになった。


「そういえば、カンダタは何で金の冠を盗んだりしたんだ?」


 カンダタから夢見るルビーと、ロマリア王に頼まれた金の冠を譲り受けてロマリアに戻る途中、ふとユウはずっと考えていた疑問を口にした。その問いにカンダタはしれっとした顔で。


「単なる嫌がらせだ」

「い、嫌がらせ?」


 聞いたユウは驚いた顔をしたが、何故かレンは爆笑していた。レンの爆笑の意味が分からずユウが不可解な顔をすると、カンダタがちょっとはいいお灸になっただろう、と苦い笑みを浮かべた。


「人のことをこき使う割に、自分は視察だとかあれこれ理由付けて遊びほうけやがって、あのおっさんは」

「どういうこと?」


 訝しそうな顔をして首をかしげるセリアに、カンダタは苦虫をつぶしたような顔をして腕組みをしながら低く呻る。


「ロマリア王はサマンオサ国王、つまり俺の親父の兄弟だ。俺にとっては叔父にあたる。そんでまぁ、折り合いの悪い親父に見切りをつけてちょっと相談事に出向いたら、頼みごとをされてな」

「あんたもあの、食えない王様にいいように使われたってわけか?」


 拗ねた様にも見えるカンダタの表情を見ながら、レンが肩を揺らしてくつくつと笑う。見透かされたカンダタは、ご名答とうなじを撫でながら情けない笑みを浮かべた。


「こんなご時世だからこそ、腐った連中を炙り出したかったんだろうさ。まぁ、俺もちょっと昔取った杵柄もあってな。相談に乗ってもらえんなら一肌脱いでやろうと思ったわけだ」

「一国の王子が、義賊出来るような昔取った杵柄ってなによ!?」


 やれやれと言うように息をつきながら吐露したカンダタに、セリアが心底呆れた様な顔をして声を上げたが、カンダタは茶目っ気たっぷりの笑みを見せながら人差し指を唇に当てる仕草を見せ、それはナイショと片眼をつむった。


「そんで国政に関わる連中から膿を出す手伝いのために、義賊の真似事してたのか」

「ま、おおむねそんなとこかな。国をどうにかしたいってとこは、俺も気持ちは分からなくないしな」

「……なんか闇が深そ……」


 どこか面白がるように笑いながら問いかけたレンに、カンダタも意味ありげな笑みを浮かべて返した。そのやり取りだけではなんとも言えないが、カンダタの話はかなり誤魔化している部分も多そうだ。ユウは肩をすくめて苦笑するしかできない。
 ただでも、どうやら彼は、単に親に反発したいがためだけに国を出てきたわけではないようだ。しっかり自分がどういう立場に人間かということを理解した上で、今の状況を打破しようと思いあぐねた末の苦渋の決断だったのだろう。

 人の数だけ人生があって、その人生にも様々な物語がある。誰がどういう選択をしてどんな道を歩んで来ようと、それはその人が選んだ人生だ。それが正しいかどうかなんてことは他人が決めることではないし、否定することでもない。決めるのは、選んだ本人だ。
 自分はどうだろう。セリアもレンもカンダタも、そしてティアラも、みんな自分の中に志を持って決断し、選んで今ここにいる。それに比べてユウは。
 英雄であった父。その息子という肩書を持つユウ。父の名に恥じぬ人間にならなければならないと、周囲から言われたわけではないが、かけられる期待がまるで、そうでなければならないというプレッシャーのようではあった。もちろん、望まれていたことではあるだろう。だから強くなければいけなかったし、父の遺志を継ぐ人間でなければならなかった。でもそれはユウが自分で望み、志とし、決断したことだっただろうか。ただ流されていただけではないのか。

    自分の本当に望むことは、なんだろう。

 何を望んでも決断しても、結局全て周囲に流されて選んだもののように思えて来る。自分がどうあるべきなのか、どうしたいのかが分からなくなりそうになる。自分自身で決断し選んできたものが、本当にあっただろうかと。
 眉間に皺を深く刻んで考え込むユウに、レンがどうかしたかと声をかける。その声で我に返って、なんでもないよと笑って見せはしたが、レンはちょっと訝しそうな顔をして、でも何も聞かずに微かに笑ってユウの頭を小さく叩いた。


「思ってることは、口にした方が楽になることもあるぞ。気が向いたら話してみろよ」


 ユウはただ力なく笑って、ありがとうとだけ答える。若干子ども扱いされたような感じではあったが、でも変に突っ込んで無理に聞こうとしてこないのは有り難かった。レンもセリアも、ユウが考え込むそぶりを見せても無駄に聞き出そうとはしてこない。ユウが自分の中である程度の整理がついて、自分から話してくるのを待ってくれる。それは多分、二人も同じように抱えているものがあるからこその気遣いなのだろう。


「でもなんで、ロマリア王は私たちにカンダタを捕まえる様に言ってきたの? 繋がりがあるなら、そんなことする必要もないじゃない」


 傍らで微妙に納得いかないような顔をしているセリアが、首をひねった。確かに義賊騒ぎに国王が一枚噛んでいたというのならば、わざわざ何の事情も知らないユウたちにそんなことを頼む必要もない。ただカンダタを呼び出して、盗まれた冠を返してもらえばそれで済む話なのだ。訝しそうな顔をするユウとセリアに、カンダタが肩をすくめて笑った。


「お互い変に動いて、義賊騒ぎに国王が一枚噛んでたなんてバレたらそれこそ事だろう? でもそろそろ潮時ってところでもあったし、あっちもこっちも頃合いを見計らってたとこでおまえが来た。こりゃ好都合だってんでおまえを寄越してきたんだろうな」

「知り合いだから?」

「そうだ。自国の人間にバレず、かつ穏便に事を運ばせるには持って来いって人間が来たんだから、使わない手はないだろうよ。区切り方はあのおっさんの中にも計画があっただろうが、そこにおまえが来たもんだから、面倒ごとを押し付けられたってところだよ」


 言いながらカンダタは全く、と微妙に笑いながら頭を掻き。


「結局のところ、ほとんどがあのおっさの掌だったってところだな」

「嫌がらせがそうはならなかったって?」

「どうだろうな。ちょっとは肝が冷えたかもしれないが、運がいいおっさんだよホント」


 くくっと喉を鳴らして笑ったレンに、カンダタは力なく肩を落としはしていたが、どことなくその顔は悔しさよりも参ったとでも言うような表情を浮かべている。
 結局のところ、使われている立場の人間がちょっとあがいたところで、上でより大きな力を握っている人間には敵わないというところなのだろう。より広い視野を持って大局を見極め、どこで何を動かしていくのかを判断し、それをどう動かしていくのかを考えて、上手い具合に動いていくように指示を出していく。そういう思慮深さと判断力は、上に立つ人間には必要な事なのだ。
 そしてあの、傍から見ればいい加減層に見えるロマリア国王カエサルも、そういう人間の一人だったということだ。どこまで見極めていたかは分からないが、それでも思う通りに事が運ぶように上手に転がしていくことができているのだから、印象よりもずっと聡明な人間なのだろう。


「……単に博打が行き過ぎてるって気がしなくもないけどなぁ」


 純粋に感心したユウに、カンダタは若干呆れた様な顔をして溜息をつきながらぼやき、それを聞いたレンは大笑いしながら違いないと大きくうなずいて同意した。
 二人のやり取りの意味が解らず、きょとんとして首をひねったユウに、セリアが分からないなら気にしない方がいいわよ、と苦笑いで彼の肩を叩いて小さく首を振った。


20160715 初稿


スポンサーサイト

| DQ3 | 05:00 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。